3. 地域ケアシステムの構築
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本診断ツールは、「在宅の重症難病患者における医療・看護の確保状況」についてアセスメントし、その課題の抽出まで、に焦点をあてたツールです。「診療・看護の確保」は、難病の在宅療養において要となる柱であり、難病保健における重要なテーマの1つであると考えたからです。
本ツールは様式1から4で構成しています。管内の在宅ALS 患者をモデルに、その方々の身体状況や医療処置の状況とともに、診療や看護にかかる支援機関についての量的、質的データを集約し、また難病事業についても評価します。様式のサンプルと記入方法についてご紹介しますので、管内難病者の状態、診療や看護にかかる資料を集約してみませんか。
難病の地域診断ツールに関するお問い合わせ
公益財団法人東京都医学総合研究所 難病ケア看護研究室FAX:03-6834-2291(直)
注:都合により、担当からの回答にお時間を頂く場合がございます。ご了承ください。
難病の保健活動
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本研究班では、難病法施行後の難病保健活動の推進を目的に、保健活動の指針を作成し、また各地の協議会等、難病事業の普及状況や保健活動の体制等について継続的な調査を行い、また各地の取り組みを普及するセミナーを開催してきました。
さて 2020 年度は、COVID-19 の感染拡大・蔓延により、「公衆衛生上の緊急事態」が継続しています。そのため保健師のみなさまは関連する多くの業務に従事し、様々な課題に直面していることと存じます。
そこで本年度は、「難病対策地域協議会の活用、災害対策やCOVID-19蔓延下での療養支援の取り組みに学ぶ」をサブテーマに、ウェブシステムを活用するセミナーを開催しました。
本記録集を、保健師のみなさまにご活用いただけますことを、心より願っております。
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本誌は、「難病保健活動をすすめる方法を知りたい。」という保健師のみなさまに参考にしていただくことが目的です。ご活用いただけましたら幸いです。
※ 本誌は、前東京都難病医療専門員 小川一枝氏、松島郁子氏、荒井紀惠氏が執筆くださった「保健師の難病支援技術獲得の進め方 別冊ガイドブック(平成 27 年度同研究班発刊)」の様式等の一部を改編したものです。
- 「様式-ア 療養状況アセスメントシート.docx」 をダウンロード 「様式-イ 療養経過表.docx」 をダウンロード 「様式-ウ 療養支援計画.docx」 をダウンロード 「様式-エ エコマップ.docx」 をダウンロード 「様式-オ 難病の地域診断(地区担当用).xlsx」 をダウンロード 「様式-カ 担当地域の社会資源表.docx」 をダウンロード 「様式-キ 関係機関のマッピング.docx」 をダウンロード 「様式-ク 在宅療養支援計画策定・評価資料.docx」 をダウンロード 「様式-ケ 事業計画書.docx」 をダウンロード 「様式-コ 事業実施報告・評価書.docx」 をダウンロード 「様式-サ 難病保健活動における経験チェック表.xlsx」 をダウンロード 「様式-シ 事業企画のための補助シート.xlsx」 をダウンロード 「様式-ス 難病の地域診断ツール2020.xlsx」 をダウンロード
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本研究班では、難病法施行後の難病保健活動の推進を目的に、保健活動の指針を作成し、また各地の協議会等事業の普及状況や保健活動の体制等について、継続的な調査を実施してきました。ここに2019 年度の調査結果をご報告いたします。
また2018 年度、2019 年度において私たちは、台風等による大規模な風水害を経験しました。災害は難病患者さんの療養生活の安全を脅かすものであり、難病の保健活動においても優先度の高い支援課題となっています。そこで「難病患者さんの災害時の備え」の推進を目的に、「災害にかかる難病保健活動」や「その他難病保健活動の実際」を共有するセミナーを6月と12 月に開催し、その講演記録集を作成いたしました。
本報告書を、保健師のみなさまにご活用いただけますことを、心より願っております。
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平時において多くの支援を必要とする在宅難病患者さんは、災害時には 停電による生命の危機など多くの困難を経験します。
セミナーでは、2018年の豪雨災害や台風の際に、在宅難病患者さんに生じたこと と保健活動について、また平時からの自助力、共助力を高めるための「災害時 個別支援計画の策定」や「基礎自治体内でのしくみづくり」などの、保健活動についてお話しいただきました。
また、「行政の保健活動」についてのお話しも伺いました。各地のみなさまの取り組みをぜひご覧ください。
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平成27年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律(以下、難病法)」が施行され、本年で4年めとなりました。
この難病法では、「都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、単独で又 は共同して、難病の患者への支援の体制の整備を図るため、 関係機関、関係団体並びに難病の患者及びその家族並びに難病の患者に対する医療又は難病の患者の福祉、教育若しくは雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者により構成される難病対策地域協議会(以下「協議会」という。)を置くように努める(第32条)」とされました。これは「都道府県、保健所を設置する市及び特別区(以下、保健所等)」が、「協議会」を活用して「難病の患者への支援の体制の整備」を図る役割を担うことが、あらためて示されたものです。
難病法施行以前では、地域保健法および難病特別対策推進事業において、難病保健活動の根拠が示されていましたが、難病保健活動のとりくみには、各地で相違がありました。そして法が施行された現在、あらたに難病事業・難病保健活動の体制づくりを開始した都道府県、保健所設置市(含む特別区)等の保健師のみなさんも多くいらっしゃることと思います。
本研究班では、難病対策地域協議会を活用する難病保健活動の推進を目的に、各地の難病保健活動、保健活動や人材育成の体制づくりのとりくみを集約し、全国の保健所等のみなさまに普及してまいりました。
本報告書は、H30年度における、各地の難病保健活動にかかるセミナーの記録および寄稿原稿を収録したもので、各講師・著者の先生方のご協力のもと作成することができました。
ぜひみなさまにご一読いただき、お役立ていただきたく思います。
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本年度は、医療費助成制度における経過措置の終了、加えてH30 年4 月からの、都道府県から政令指定都市への事務移譲が予定されており、法制化後の大きな変化の年となりました。このような状況において保健師のみなさまは、あらたな施策・保健活動の仕組みづくりのために、多くのご苦労を経験なさっていることと思います。
そこで今年度、本研究班では、これまでの協議会等の普及状況調査に加え、各地のとりくみを普及するためのセミナーを開催しました。また特に大きな変化を経験なさる、政令指定都市本庁等保健師のみなさまの交流会を開催し、各自治体の難病施策、保健活動体制についての情報を共有し、あわせて今後の活動の方向性を検討する機会を持ちました。
ここに研究成果を広く普及するために、各調査結果、セミナー記録集を集約した報告書を作成いたしました。郵送調査ならびに交流会等におけるインタビュー調査、あるいは普及事業にご協力くださいました保健師のみなさまに心より感謝を申し上げますとともに、各所で孤軍奮闘なさっている保健師のみなさまにご活用いただけますことを心より願っております。
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難病の制度が変化する中、みなさんはどのように活動なさっているでしょうか。
このたびの「公開レクチャー&パネルディスカッション」では、
・「遺伝子疾患への理解」を深めること
・ 各自治体の保健師のみなさまの「難病保健活動」の実際についてお話を伺い、活動のノウハウや展望について学ばせていただくこと
・ 参加者同士の交流をつうじて、保健活動の仲間を作ること
以上を目的に開催しました。
大変に充実した素晴らしいご講演内容を、継続して広くみなさまと共有させていただきたく、演者の先生方にご協力いただき、本記録集を作成いたしました。 各地で難病保健活動に取り組んでくださっているみなさまに参考になさっていただけましたら幸いです。
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平成12年介護保険法施行により地域における在宅療養者に提供されるサービスが増え、また平成25年には障害者総合支援法に難病が入るようになりました。具体的なサービスメニューが増え、利用者に応じたサービス利用計画が作成されるようになってきたことはとても喜ばしいことです。しかし難病においては、早期に適切な専門医療につながることが困難であることや日々の健康管理をお願いする在宅医療や訪問看護との連携、福祉サービスとの調整、療養者とその家族全員がより健康であるための支援、そして災害対策等と、まだまだ課題があります。これらは個々の難病の患者への支援の課題にとどまらず、難病にり患しても安心して生活できる地域づくりそのものであり、保健師の役割です。この役割を見失わないよう、保健師を育成することが重要であり課題です。 新任期であっても、保健師は着任すると地区を受け持ちます。難病の保健活動にすぐに取り組めるよう人材育成プログラムが必要です。その一助となることを目的としてこの「難病の保健師研修テキスト」を作成しました。この研修テキストが、都道府県において保健師を対象とした研修の企画や日々の保健活動に活用されること、そしてその成果として難病法に基づく「難病対策地域協議会」が、保健師の地区活動と連動して、より多くの保健所で効果的に開催されることを願います。
≪H30年度改訂版≫
難病の医療費助成にかかる経過措置が終了し、H30年4月からは医療費助成の対象疾病が331になりました。またその他関連する制度も変更しています。そこで、制度に関連する箇所を改訂いたしました。ご協力くださいました先生方に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。みなさまどうぞご活用ください。
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厚生労働行政推進調査事業費補助金難治性疾患政策研究事業「難病患者の地域支援体制に関する研究(研究代表者 西澤正豊)」班におきまして、「難病保健活動の推進に関する研究」にとりくみ、「難病の保健活動指針」1)「難病対策地域協議会のとりくみ事例集」2)「人材育成ガイドブック」3)等を作成し、全国の保健所等保健師のみなさまにご活用いただきたく、普及してまいりました。今年度は、昨年度にひきつづき、全国の都道府県および保健所設置市(含む特別区)における「難病対策地域協議会」等難病事業の実施状況、実施時の工夫点、および実施にむけての課題等の調査を行うとともに、難病保健活動にかかる人材育成の推進を目的に、「難病の保健師研修テキスト」を作成しました。またモデル自治体が実施する集合研修のとりくみに参画し、普及のための要件について考えました。本報告書は、今年度の研究成果をまとめたものです。調査では、全国の都道府県および保健所設置市(含む特別区)のみなさまに、また難病保健活動のとりくみについてのご報告では、京都府、福岡県、鹿児島県の保健師のみなさまにご協力いただきました。 ここに今年度の研究にご協力くださったみなさまに心からの感謝を申し上げますとともに、本報告書が、各地で難病の保健活動に取り組む保健師のみなさまにご活用いただけますことを切に願っております。
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2015年1月「難病の患者に対する医療等に関する法律(以下、「難病法」)」が施行され、我が国の難病療養を支える国の制度が大きく変わりました。この「難病法」においては、「都道府県、保健所を設置する市又は特別区は、(中略)難病対策地域協議会を置くように努め」「地域における難病の患者への支援体制に関する課題について情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、地域の実情に応じた体制の整備について協議を行うものとする。(第32条)」ことが示され、「難病対策地域協議会」を活用する難病保健活動が可能となりました。 また超高齢化社会の到来を目前にして、「地域包括ケアシステムの構築」に関わる施策が推進され、関連する諸制度の変更もめまぐるしく実施されています。このようななか保健行政における取り組み課題も多岐多様にわたり、保健師の皆様は、その活動のあり方についての課題や悩みを感じられることも多いことと思います。 本セミナーでは、難病の施策と、難病を含む保健活動の実際についてお話を伺い、「難病の療養を支える保健活動の今後」について考えました。
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2015年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律(以下 「難病法」)」が施行され、我が国の難病施策は法のもとで実施されることとなりました。法施行後の、難病事業・難病の保健活動状況について調査するとともに、保健活動の基盤となる 「難病保健活動の人材育成についての調査と検討を行いました。本報告書が、難病保健活動に取組むみなさまのご活動の一助となりますことを切に願っております。
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難病保健における保健師としての役割や支援技術を獲得するための具体的な手段(OJT、off-JT)をいくつか提示します。難病保健活動すべてを網羅するものではなく、難病保健に特化したものでないものもあります。少しでも難病保健に取り組みやすくなるよう、職場や個人の状況に応じて参考にしていただければと思います。
- 「保健師の難病支援技術獲得へのすすめ方 別冊ガイドブック(様式集付き)」PDF をダウンロード
- 「様式-ア 療養状況アセスメントシート」WORD をダウンロード「様式-イ 療養経過表」WORD をダウンロード「様式-ウ 療養支援計画」WORD をダウンロード「様式-エ エコマップ」WORD をダウンロード「様式-オ 難病の地域診断(地区担当用)」EXCEL をダウンロード「様式-カ 担当地域の社会資源表」WORD をダウンロード「様式-キ 関係機関のマッピング」WORD をダウンロード「様式-ク 在宅療養支援計画策定・評価資料」WORD をダウンロード「様式-ケ 事業計画書」WORD をダウンロード「様式-コ 事業実施報告・評価書」WORD をダウンロード「様式-サ 難病保健活動における経験チェック表」EXCEL をダウンロード「様式-シ 事業企画のための補助シート」EXCEL をダウンロード
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2014年5月に「難病の患者に対する医療等に関する法律(以下「難病法」)」が施行され、我が国の難病施策は大きな変化のときを迎えました。そしてこのたびの「難病法」では、「都道府県、保健所を設置する市及び特別区は難病の患者への支援の体制の整備を図るため難病対策地域協議会を置くように努める(32条)」ことが示されました。これはひとつのチャンスです。いままで難病保健活動を実施する体制が充分ではなかった保健所等においても、このたびの法制化をきっかけに、あらたに体制を組むことができることとなりました。
保健行政のなかで「難病の保健活動」を、地域包括ケアシステム構築のためのもの、とも位置づけて、これらの活動を効果的に推進していきたいものです。
そして本報告書は、本年度の研究の経過、各保健所等における取組み例、効果的な難病対策地域協議会の実施のための手引き(参考)、参考資料で構成しました。
本報告書が、難病保健活動の一助となりますことを切に願っております。
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本指針の目的と活用方法
わが国では「難病」を、「(1)原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病。(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」と定義し、昭和47年(1972年)に、難病対策要綱を制定し、様々な対策を推進してきました。
そして、要綱の制定から40年以上を経た現在、我が国の難病対策は、平成26年度の法制化をめざして現行制度の見直しが行われており、対象疾患の拡大、医療費助成の仕組みおよび難病の医療提供体制の変更など、様々な討議が繰り広げられています。
2013年1月)においては、大きく3つの公的なネットワークによって、難病療養を支えることとされています。それらは、新・難病医療拠点病院等を中心とする難病医療に関するネットワーク、難病相談支援センターを中心とする相談支援のネットワーク、保健所を中心とする地域支援ネットワークであり、保健所における難病の保健活動に対して、あらためて大きな期待が寄せられているところです。
本指針は、このあらたな難病対策において位置づけられている、保健所を中心とする地域支援ネットワークの構築など、「保健所における難病の保健活動」の方向性を提案するものです。これは近年、国から発出された、保健行政・保健活動にかかわる法や通知、指針などを参考に、本研究組織において作成しました。◆基盤とした法や通知:
地域保健法(H9)、「地域保健対策の推進に関する基本的な指針(一部改正、H24.7.31)」
「地域における保健師の保健活動に関する指針(H25.4.19)」現在の難病対策への取り組みは、都道府県によって様々です。そのため難病の保健活動の場において、保健師のみなさんが、孤軍奮闘している状況をしばしば耳にします。本指針が、各都道府県の難病対策とそれを推進する保健活動の参考資料としてご活用いただけましたら幸いです。
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2013年1月25日に「難病対策の改革について(提言)」(厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会)がだされ、40年の歴史をもつ我が国の難病対策がかわろうとしています。そのなかで保健所に対する、あらためて大きな役割が期待されています。関連する施策がどうかわろうとしているのかを知り、今後の都道府県・保健所等における保健活動をさらに推進するために、各地のとりくみやアイディアを共有しました。
災 害
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公益財団法人東京都医学総合研究所に難病医療専門員が配置されたのは、震災直後の平成 23 年 4 月でした。就任後は震災後最大後の課題としてクローズアップされた在宅人工呼吸器使用者の災害対策に地域の保健師の方々と一緒に取組んできました。その活動の中から、在宅人工呼吸器使用者災害時個別支援計画の手引きをモデル事例でシミュレーションして作成しました。各種チェックリスト類も地域からのご要望やご協力をいただき整備しました。
本事例集は、この間に東京都神経難病医療ネットワーク事業研修会や東京都福祉保健医療学会で既に報告されたものをまとめたものです。各所の特徴を活かした活動内容の報告です。この事例集の他にも、先駆的な取組みをされている自治体があり、ここに載せることが出来なかったのは残念ですが、次の機会にご紹介できることと思います。
資料として、災害時個別支援計画策定をすすめる中で作成した各種チェックリスト類も掲載しました。今後の在宅人工呼吸器使用者の災害対策で活用していただけたら幸いです。
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2011年3月11日、東日本大震災が発生し、甚大な被害を及ぼしました。
東京都では、2012年3月に「東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針」が策定され、個別支援計画の作成を推進してきました。しかし、作成された個別支援計画がいざという時に使えなければ意味がありません。
災害や停電はいつ起こるかわかりません。
この映像は、停電が生命にかかわる在宅人工呼吸器使用者のための医療機器の取扱いを含む「日頃の備え」を解説するとともに、実際の停電時に、介護者が対応できるようにシミュレーションを支援者と一緒に行ってみるためのものです。
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災害時個別支援計画は、定期的に見直し(少なくとも1年に1回)、実効性のあるものに更新することが大切です。そこで「災害時個別支援計画作成後の定期的見直しチェック表」を作成しました。
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私たち訪問看護師がお宅を訪問し、発災時に安否確認を行う場合、具体的にどう行動すべきかについて整理し、「在宅人工呼吸器使用者災害時安否確認チェック表」を作成しました。
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「在宅人工呼吸療養・計画停電確認表」は、停電時の在宅人工呼吸療養者のご体験に関する調査(訪問および文献)をもとに、当研究室内で討議して作成したものです。療養なさっているみなさまの個別の状況にあわせて計画停電の対応をすすめていただく際に、参考になさってください。