在宅人工呼吸療養・計画停電確認表について
チェックリスト
在宅人工呼吸療養者の計画停電に向けた準備物品や確認事項のチェックリストです。ご確認に当たっては以下の内容をご参考ください。
*計画停電確認表を2部用意して、療養者・ご家族と支援者が一緒に確認されるとよいです。
1.計画停電に向けての確認事項
計画停電の実施状況を正確に把握しているか、停電中に介護や療養者の安否確認などに支障がないような照明の確保などの基本的な対策が取られているかどうかをご確認ください。
特に停電中の緊急連絡方法(固定電話が使用できない場合の携帯電話の使用、充電等)、緊急連絡先は見えやすい場所に貼っておく事などの事前準備が大切です。緊急時連絡先としては、専門病院やかかりつけ医、保健所、訪問看護ステーション、訪問介護事業所、医療機器類提供会社、家族の携帯電話や勤務先などが考えられます。また、高層マンションなどでは停電中に水道が使えなくなる事もありますので、水の確保が必要になります。
2.計画停電対策としての準備物品
療養者が使用している全ての医療機器類と電源を確認して下さい。(対策は3.を参照)計画停電の日時は、カレンダーに記入するなどして、勘違いしないような注意が必要です。
停電中に水道が使えなくなる場合は、経管栄養食に関する水(温める湯、薬や終了時注入の白湯、ボトル洗浄の水等)や便器・尿器の洗浄水などを確保します。夜の計画停電では、暗がりで内服薬や点眼薬を取り間違えないように、明るい内に準備するなどの工夫をしましょう。
3.医療機器類の対策
- 吸引器は、停電時に使える吸引器(充電式、足踏み式、手動式など)を必ず用意して下さい。充電式の吸引器はバッテリーの寿命があり、定期的に交換(2年で交換を推奨)が必要です。
*注射器による吸引は難しく、災害現場などやむをえない場合に限ります。
口腔内などを持続吸引している場合も、電池使用タイプがありますので必要に応じて準備しましょう。 - 人工呼吸器を使用している場合は、蘇生バック(人工呼吸器に近い固定場所に置く)は必需品です。使用方法を普段から練習して、使用者も療養者も慣れておくことが大切です。
人工呼吸器の内部バッテリーは、バッテリー付き・無しがあります。また内部バッテリーの作動時間は機種により違いがあります。内部バッテリーは人工呼吸器使用中に充電されます。
外部バッテリーの充電方法は違いがあります(人工呼吸器に外部バッテリーをつないだままで自動充電できる、外部バッテリーは単独で充電する等)。またバッテリー量も違いがあります。
内部バッテリーと外部バッテリーの双方での作動可能時間や充電に要する時間をご確認下さい。
また外部バッテリーを新規に準備する場合は、在宅人工呼吸管理医療機関の担当医に相談し、人工呼吸器提供会社等から必要十分な量のバッテリーを確保して下さい。
(注:発電機での作動は、人工呼吸器の不具合を起こす可能性もあります。必ず呼吸器提供会社にご確認下さい)加温加湿器は停電により一時加温が中止になっても大きな問題が生じません。
人工呼吸器の日常点検表(設定条件を記載)を作り、毎日点検できる体制が大切です。 - 在宅酸素療法は、酸素ボンベを準備して下さい。在宅酸素管理医療機関の担当医に連絡し、在宅酸素提供会社から供給を受けてください。
- 輸液ポンプのバッテリー稼動時間(在宅では24時間作動タイプが主流)をご確認下さい。
またバッテリーが使えない場合の手動滴下方法を確認しておくと安心です。 - パルスオキシメータ―のアラーム機能付は、AC電源用(バッテリー付もあり)が多いのでご確認ください。停電中もモニターが必要な場合は、電池使用のパルスオキシメータ―を確保しましょう。
- 電動ベッドは停電により作動不能となるため(手動機能併設タイプもあり)、停電前に療養者の安楽な角度に整えましょう。
- エアマットは、3時間以内の停電では大きな問題が生じません。3時間を超える場合の対策はレンタル先や製造会社などにご確認ください。
- 呼びだしコール(療養者が介護者を呼ぶための機器)は、AC電源と電池式があります。
AC電源コールだけを使用している場合は、電池式を予備できると安心です。 - その他の医療機器類を使用している場合は、停電時の対策が必要か否かをご確認いただき、対策をご検討下さい。