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第4回 都医学研都民講座 「難病・ALSを「治す」への挑戦」を開催しました

 

左から、 中山優季氏(難病ケア看護プロジェクトリーダー)、黒川久里子氏(せりか基金 代表理事)、
長谷川成人氏(認知症プロジェクトリーダー)、川口有美子氏(NPO法人ALSMNDサポートセンターさくら会理事)


 都医学研では、研究内容の一端や関連する最新情報を、都民の皆様にわかりやすくお伝えするため、都民講座を開催しています。このたび、2018年9月30日(日)に平成30年度第4回都民講座を難病ケア看護プロジェクトが担当いたしました。

 この企画・運営を総括すると「挑戦」です。難病は、治らない病気とされていますが、敢えて、「ALS、筋萎縮性側索硬化症の「治す」ことへの挑戦」というテーマを掲げました。ご登壇いただいたのは、漫画「宇宙兄弟」から生まれたせりか基金代表の黒川久理子様と都医学研認知症プロジェクト長谷川成人プロジェクトリーダーです。

 実は、漫画「宇宙兄弟」の世界では2026年にALSの治療法が誕生することになっているのです。それに先立ち、「今」の立ち位置を示すべく、お二人に講演を依頼しました。まず、黒川様から、「『宇宙兄弟』がつなぐ難病・ALS治療への挑戦 -せりか基金の取り組み-」と題してお話しいただきました。せりか基金は、漫画「宇宙兄弟」の登場人物の一人であり、ALSの研究を行う「伊東せりか」にちなんだもので、ALSの治療法の研究開発費を募金の形で集め、せりか基金賞として、研究者に研究開発費を助成する活動をしています。「ALSにまったく関係のない自分、第三者だからこそできることがある、患者さんから元気をもらっています」という言葉がとても印象的でした。次に、長谷川プロジェクトリーダーからは、「原因究明の果てない道のり」と題してお話をいただきました。長谷川研究員は、2006年に前頭側頭型認知症に蓄積するTDP-43を発見し、さらに、これがALSの発症と進行の原因物質であることも発見しました。現在、TDP-43がなぜ脳に蓄積し、ALSを発症するのか、そして、防ぐ方法はないのかなどの研究を行っていること、さらにTDP-43の構造は今後、数年のうちに明らかになり、それにより、異常型TDP-43を、標的とした治療薬開発の戦略について、分かりやすく解説いただきました。講演に続き、講演者お二人とNPO法人ALSMNDサポートセンターさくら会理事川口有美子様を加えたパネルディスカッションを行いました。難攻不落と言われたALSの病態が少しずつ、確実に解き明かされている手応えを感じるとともに、治療法開発までの間、さまざまな症状を呈する可能性のあるALSへのケアの重要性も再確認する場となりました。

 今回の都民講座には、もう一つ、「集客」という「挑戦」がありました。試験的ではありましたが、従来開催してきた平日午後ではなく、休日開催とし、そして会場は、日経ホールという都医学研の新しい「挑戦」に、担当部署として、1年以上前から重圧を感じておりました。順調に参加申し込みを頂いてきていたのですが、神様は、直前に台風という想定外の試練をお与えくださり、開催自体が危ぶまれる状況となってしまいました。その中、奇跡的に予定通り開催できましたこと、関係各位のご尽力とご参加いただきました皆様の「挑戦」に心より感謝申し上げます。

 


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