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平成28年度第4回日本難病医療ネットワーク学会学術集会にて発表しました

 

 11月18日から19日、第4回日本難病医療ネットワーク学会学術集会が愛知県名古屋市で開催され、公益財団法人東京都医学総合研究所運動・感覚システム研究分野難病ケア看護プロジェクトからは小川一枝・橋本英子・板垣ゆみの3名が発表しました。 この学会は、難病医療専門員の情報交換と経験の共有化を目的として、平成11年に開催された「中国・四国・九州難病医療専門員研修会」に始まり、平成16年には「日本難病ネットワーク研究会」に発展、平成24年には大阪に全国各地から多職種の方が集まり、第1回日本難病医療ネットワーク学会学術集会の開催に至りました。今回の学術集会は「難病の多様性と共通する課題」をテーマに、医師100名、パラメディカルスタッフや患者さん本人等300名が参加しました。

 今回の発表の概要は下記のとおりです。

  1. 「ALSでTPPVの単身生活を支えてきたもの~介護者へのインタビューからその要因を探る~」(口演発表:小川一枝・難病医療専門員)では、24時間支援している介護人3名とのグループディスカッションを通して在宅療養が継続出来ている要因についての分析結果を発表しました。 在宅療養支援体制の構築において①本人家族に対しての適切な情報提供の場 ②本人の明確な意思表示 ③進行に応じて開催する情報共有の場 ④各事業所における努力 ⑤本人に身近なキーパーソンの存在 ⑥医師のリーダーシップ等が寄与していたと報告しました。
  2. 「神経難病医療ネットワーク事業におけるコミュニケーション支援の取組みと課題」(ポスターセッション:橋本英子・難病医療専門員)では、東京都神経難病医療ネットワーク事業において難病医療専門員が保健所等へ行っている支援のうち特にコミュニケーション手段の専門技術を蓄積した作業療法士との協働支援からみえた課題について報告しました。 ALSに代表される神経難病は、希少疾患であるため支援者の経験が蓄積されにくく、訪問している作業療法士や理学療法士等への技術支援体制が必要とされていることが改めて明らかになりました。また、的確な適応評価のための意思伝達装置等の機器の貸し出し事業等が求められる等の提案がされました。
  3. 「東京都の人工呼吸器装着中孤発性ALS患者の医療処置導入状況と療養環境の変化~平成18年度と24年度の臨床調査個人票の比較から~」(口演発表:板垣ゆみ・非常勤研究員)では、臨床調査個人票データから東京都で平成18年度と24年度に認定された人工呼吸器装着孤発性ALS患者を対象に、人工呼吸・栄養療法の導入状況と療養環境について比較検討した結果を発表しました。「在宅人工呼吸器使用者、特にNIVの増加と、TIV療養の長期化、医療処置導入の早期化」の現状と同時に、「胃瘻の早期造設が推奨されているにかかわらず、進行の速い患者の胃瘻造設が人工呼吸器導入より後である割合が60‐70%」という実態を明らかにしました。 そしてこれらの結果から、NIVと長期TIV療養を考慮した在宅医療体制の整備の必要性と、診断初期からの意思決定支援の重要性を示しました。

 どの発表も質疑応答が活発に行われ、東京都の先行ぶりを改めて認識されました。



写真上:ポスターセッションの様子。「P4-5」

 


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